こんにちは、やさしい買い物ナビゲーターのエコリです。
みなさんは「フェアトレード」という言葉を聞いたことがありますか?
カフェで見かけるコーヒー豆のパッケージや、スーパーのチョコレートに、小さなマークがついていることがありますよね。
なんとなく「いいこと」っぽいけど、実はよく知らない…そんな人も多いかもしれません。

でもね、その“ちいさな選択”が、世界の誰かの暮らしを守っているとしたら?
今日は、そんなフェアトレードのしくみと選び方を、わたしエコリと一緒にやさしく学んでいきましょう🌱
フェアトレードとは?仕組みと意味をやさしく解説
「フェア(Fair)」は“公平”、“トレード(Trade)”は“貿易”。
つまり、フェアトレードとは「公正な取引」のことを指します。
私たちが毎日のように手に取るチョコレートやコーヒー、バナナなどの農産物。
その多くは、アジア・アフリカ・中南米など、発展途上国で生産されています。
でも実は、その生産者たちが正当な報酬を得られずに、苦しい生活をしていることも少なくありません。
そこで生まれたのが、フェアトレードの仕組みです。
たとえば、こんなポイントが大切にされています
- 生産者に適正な価格を支払う
- 児童労働や強制労働を排除する
- 環境に配慮した農業を続けられるように支援する
- 地域全体の教育や医療への投資を促す
つまり、「安くて便利」の裏側にある不公平を見つめなおして、“やさしさで選ぶ”お買い物に変えていこうという考え方なんです。
知っておきたいフェアトレードの歴史
はじまりは「チャリティー」から(1946年〜)
フェアトレードのはじまりは、1946年のアメリカ。
NGOの女性ボランティアが、プエルトリコの女性たちが縫った刺繍製品を持ち帰り、バザーで販売したのが最初とされています。
当時は、困っている人を「助けてあげる」という姿勢が強く、
こうした活動は「チャリティートレード(慈善貿易)」と呼ばれていました。
ヨーロッパでも教会やNGOが中心となり、手工芸品などを通じて支援の輪が広がっていきました。
“支援から自立へ”の考え方(1960年代〜)
1960年代に入ると、ただの一時的な支援ではなく、
貧困から抜け出すための「仕組みづくり」が求められるようになります。
ここで登場したのが「開発貿易」という考え方です。
コーヒー、カカオ、バナナなど、日常の暮らしに関わる農産物を公正な価格で継続的に取引することが、フェアトレードの中心になっていきました。
さらに、「オルタナティブ・トレード(もうひとつの貿易の選択肢)」という言葉も使われるようになりました。
これは、不公正な国際貿易に代わる“新しい仕組み”を目指すという意味が込められています。
小さな選択が、世界を変える
フェアトレードは、「世界を良くする大きな仕組み」ではなく、
わたしたち一人ひとりの“小さな選択”の積み重ねから生まれました。
どんな商品を選ぶか――その選択には、遠くの誰かの暮らしや働き方、そして環境にもつながっている物語があります。
参考:国民生活センター|フェアトレードの歩み
参考:フェアトレードジャパン|フェアトレードのはじまり
ラベルをチェック!フェアトレード認証の見分け方
フェアトレード商品かどうかを見分けるには、「認証ラベル」が便利です。
パッケージについているマークを見ることで、その商品がフェアトレードであることが一目でわかります。
よく見かける代表的な認証マーク
🌍 国際フェアトレード認証(FLO)
青と緑の背景に黒い人型が描かれたラベルで、スーパーやカフェでもよく見かけます。
適正な価格での買取や環境保全、児童労働の排除などが保証されている証です。


🤝 世界フェアトレード連盟(WFTO)
「100%フェアトレード」を掲げる団体や企業が取得できる認証。
手工芸品やコットン製品などで使われています。


最近では、認証マークなしで「フェアトレード」と表示している商品もありますが、内容がはっきりしないものもあります。
迷ったときは、まずラベル付きの商品を選ぶと安心です。
どこで買える?日本で広がるフェアトレード商品
どんな商品があるの?
- コーヒー、紅茶、チョコレート、クッキーなどのお菓子
- バナナやドライフルーツ
- オーガニックコットンのTシャツやバッグ
どこで買えるの?
- 生協(パルシステム、コープなど)
- スーパー(イオン、成城石井、紀ノ国屋など)
- 自然食品店(ナチュラルハウス、ビオセボンなど)
- カフェ(スターバックスやタリーズなど一部商品)
- フェアトレード専門店(ピープルツリー、シサム工房など)
最近ではネット通販でもフェアトレード商品が簡単に手に入るようになりました。



「ちょっと気にしてみるだけ」で、出会えるチャンスは意外と多いんです。
フェアトレードが注目される理由とSDGsとの関係
フェアトレードが今あらためて注目されているのは、地球規模の課題が深刻になってきているからです。
たとえば、気候変動による農作物の不作や、児童労働の問題。
安さの裏側で、過酷な労働や環境破壊が起こっていることもあります。
こうした問題に対して、私たちが日常の中でできることが、「やさしく選ぶ」という行動です。
フェアトレードとSDGsの関係
- 目標1:貧困をなくそう
- 目標8:働きがいも経済成長も
- 目標10:人や国の不平等をなくそう
- 目標12:つくる責任・つかう責任
- 目標13〜15:環境や生物多様性の保護
さらに詳しく見ると、フェアトレードはSDGsの中でもいろいろ関わっているとされています。
フェアトレードと深く関わるSDGsの目標
特に以下の目標との関わりが深いとされています
- 目標1: 貧困をなくそう
- 目標8: 働きがいも経済成長も
- 目標10: 人や国の不平等をなくそう
- 目標12: つくる責任・つかう責任
- 目標13〜15: 環境や生物多様性の保護
たとえば、フェアトレードによって発展途上国の生産者が適正な報酬を得られれば、貧困から脱し、働きがいのある暮らしにつながります。
また、持続可能な農業やフェアな価格は、消費者にも「つかう責任」を投げかける仕組みといえます。
さらに詳しく見ると…
実際には、フェアトレードはSDGsの17すべての目標に、直接的・間接的に関わっているとも言われています。
詳細に興味がある方は、フェアトレードジャパンの記事も参考になります。


このように、フェアトレードは「社会」「経済」「環境」の3つの柱をバランスよく支えるアクションとして、世界中の企業や自治体、個人に選ばれる理由があるのです。
私たちにできることは?フェアトレードを実践する買い物のコツ
- 商品パッケージのマークを探してみる
- 週に1つ、フェアトレード商品を買ってみる
- 家族や友人に話題としてシェアする
- お店で「フェアトレードありますか?」と聞いてみる



完璧じゃなくていいんです。
“ひとつだけ”でも、やさしい選択をしてみることが大切です。
その一歩が、未来を変える。エコリからひとこと
ぜんぶじゃなくていいんです。
ひとつだけでも、やさしい選択を。
それがやがて、だれかの笑顔につながっていきます。
今日も、あなたのペースで🌼