スーパーやコンビニで食品を選ぶとき、つい「カロリー」ばかりに注目していませんか?
実は、同じカロリーでも 含まれる栄養素の種類やバランス によって、体への影響は大きく変わります。
この記事では、食品表示に詳しい「ラベル博士」と、無理せず健康的な食生活を続けたい「ココル」が、栄養成分表示の基本の見方をやさしく案内します。
栄養成分表示には何が書いてあるの?
食品表示法で表示が義務づけられているのは次の5つです。
- エネルギー(カロリー)
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 食塩相当量

これが基本のセットじゃ。どの食品にも必ず書かれておるんじゃよ
多くの商品は 1食分 または 100g(100ml)あたりで表示されています。
メーカーによっては、ビタミンやミネラルが追加で記載されていることもあります。
各栄養素の役割と見方のポイント
栄養成分表示を活用するには、カロリーだけでなく、栄養素のバランスに目を向けることが大切です。
それぞれの栄養素には、私たちの体に欠かせない働きがあり、偏りが続くと、「なんとなく疲れやすい」「体調がすっきりしない」などの不調につながることもあります。
エネルギー(カロリー)
カロリーとは、食べ物から得られる「エネルギーの量」のことです。成人の1日の目安は、男性で約2,000〜2,400kcal、女性で約1,600〜2,000kcalとされています。
カロリーが低いからといって、必ずしも健康に良いわけではありません。例えば、カロリーゼロ飲料はカロリーが低い一方で、栄養素はほとんど含まれていません。
大切なのは、数字の大小だけでなく、栄養素の中身も合わせて見ることです。



わたしも前は“カロリー低い=体にいい”と思ってたんだけど、違うんだね!
たんぱく質
筋肉、血液、髪など、体を作る重要な材料です。不足すると、疲れやすくなったり、免疫力が低下したりする原因になります。
おにぎりやパンだけの食事は糖質に偏り、たんぱく質が不足しがちです。
- コンビニでは「おにぎり+サラダチキン」
- 外食では「定食で魚や肉を選ぶ」
といった工夫で、手軽にたんぱく質をプラスできますよ。



ふむ、体を作る材料じゃから不足は禁物じゃ。手軽に“たんぱく質+”を意識するとよいぞ
脂質
体にとって効率の良いエネルギー源です。
飽和脂肪酸は摂りすぎに気をつけたいところですが、不飽和脂肪酸には 血流やコレステロールを整える働き があります。
揚げ物やスナック菓子には脂質が多く、飽和脂肪酸も多めに含まれがちです。
- 食べる頻度や量を意識する
- 普段は魚やナッツから脂質を摂るようにする
こうした工夫で、無理なくバランスを整えられます。



脂質は“量”と“種類”を意識するだけで、自然と整っていくんね。
炭水化物
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせたものです。
糖質はすぐにエネルギーになりますが、摂りすぎると肥満や血糖値の上昇につながります。
食品表示では「炭水化物」とまとめて表記されることが多く、食物繊維の量が分からない場合があります。「糖質」「食物繊維」と分けて記載されていれば、両方を確認しましょう。
主食のご飯やパンには、野菜や海藻を一緒にとり入れると、自然にバランスが整います。



「“炭水化物”の表示はまとめて書かれることが多いんじゃ。数字の内訳を見られるとさらに理解が深まるぞ。
食塩相当量
塩分のとりすぎは高血圧やむくみの原因になりやすいもの。
1日の目安量は、成人で 男性 7.5g未満/女性 6.5g未満 です。
カップ麺やレトルト食品では、1食で1日の摂取量の半分以上を占めてしまうこともあります。
- 汁を全部飲まない
- 減塩タイプを選ぶ
といった小さな心がけでも、ずいぶん調整できますよ。



ラーメンのスープを全部飲まないだけでも減塩になるんだね。ちょっとした工夫で変わるんだね♪
PFCバランスを意識する
カロリーの数字だけでなく、栄養素のバランスを見ることが大切です。
特に「PFCバランス」(たんぱく質・脂質・炭水化物の比率)は、食事を考えるときの良い目安になります。
- たんぱく質:13〜20%
- 脂質:20〜30%
- 炭水化物:50〜65%
ここで大切なのは、1つの食品でこの比率をそろえることではないという点です。
「1日の食事全体で、このバランスに近づける」ことを意識しましょう。
たとえば、お昼にご飯やパンが中心になったら、夜ご飯で魚や豆腐を足してバランスをとる。
そんな調整を積み重ねることで、自然と整っていきますよ。
今日からできる!賢い食品選びチェックリスト
食べ物を選ぶときは、この3つを意識してみましょう。
- カロリーだけでなく、主要な栄養素と塩分もざっと確認する。
- 「多すぎないかな?」「少なすぎないかな?」と考え、1日の中でバランスをとる。
- 同じカロリーなら、たんぱく質が含まれているか・塩分が控えめかを比べてみる。
栄養成分表示をもっと活かすために
栄養成分表示を見るとき、つい一品だけで判断してしまいがちですが、大切なのは 1日の中でどうバランスをとるか です。
カロリーに目が行きやすいですが、たんぱく質・脂質・炭水化物・塩分といった他の成分もあわせて見てみてください。
「今日はちょっと脂質が多かったから、次の食事では魚や野菜を足してみよう」と調整していくことで、自然とバランスが整っていきます。
なんとなく眺めていた数字も、こうした視点を持つと食品の選び方が少しずつ変わっていきます。
次にスーパーやコンビニに行くときは、ぜひ一度意識して見てみてくださいね。



1品1品より、1日の食事全体でバランスを整えることが肝心じゃ。



数字の見方をちょっと意識するだけで、選び方が変わってくるよ!